HIRO's オンライン英会話レッスン
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アメリカで警官に職務質問を受けた/アメリカの警察官は日々命がけ
アメリカ生活にも慣れてきて、日常的な英会話も何とか取れるようになってきたある晴れた日のお昼時間のこと。
仕事の合間、私は昼食を終え、勤務する会社が経営するショッピングセンターの裏側に面した道路に車を止めて昼寝をしていました。
うつらうつらしてきた時のこと、人の気配がしたのです。
うっすら目を開けて外に目をむけると
"Don't move."(動くな)
落ち着いた声で警察官が私に指示しました。
車の前席の両ドアウィンドウを開けてたので彼の声はハッキリと聞き取れました。
「(えっ!?)」
警察官は拳銃に手をかけていました。
「(まずい!)」
別に私は何も悪いことをしていたわけではありません。
しかし、その警察官が私に対して警戒しているのが明らかでした。
その警察官は車から2メートル程離れ、私が変な動きをすれば、いつでも銃を抜けるような体制を取っているのです。
その時、今度は助手席の方に気配を感じたので見てみると、別の警察官が助手席の開いたドアウィンドウから手を伸ばし、助手席に置いてあった私の背広の上着を持ち上げ、何か隠し持っていないかどうかを確認しているようでした。
何もないことを確認すると、私に指示した警察官が今度は
"Step out slowly."(ゆっくり降りなさい)
と指示してきたのです。
「(ゆっくり、ゆっくり、とにかく、ゆ・っ・く・り)」
と私は自分自身に言い聞かせていました。
特に手の動作はゆっくり。
私は警察官に対する緊張よりも、自分の動作に対して緊張感を覚えていました。
ゆっくりと車のドアを開け降りると
"Hold your hands up and put them behind your head."(両手を頭の後ろに置きなさい)
私は指示通りにすると
"Turn around and stand against the car."(振り向いて車に体をつけて立ちなさい)
正確な警察官の指示内容は定かではありませんが、たしかこんな感じで言われたと思います。
私は手を頭の後ろに回し、車にもたれかかるようにしたのです。
「(よくハリウッド映画では見かけるシーンですが、まさか自分がこんな格好をさせられるとは)」
なんてことを考えながら、私は警察官の指示にしたがっていました。
警察官はマニュアル通りの手順をふみ、今度は私の体を探りながら銃を所持していないかどうか?を確認していたのです。
私はネクタイ姿でした。自分で言うのもなんですが顔立ちだって人に好感与える顔で、決して不信感を与えるタイプではありません。
「(ここまで調べれば警察官も安心するだろう。もう大丈夫かな)」
と気持ちは落ち着いていました。
"What were you doing here?"(ここで何をしていた?)
「(えっ?あ、そうか。もしかして職務質問が始まるのか?)」
私は、まさか突然質問されるとは思っていなかったので一瞬返答に戸惑いました。
私はまだ手を頭の後ろに回したままで出来るだけ落ち着いて答えました。
"I was taking a nap."(昼寝をしてました。)
"Why here?"(どうしてこの場所で?)
「(えっ!予想外の質問)」
"I work a company that owns this shopping center."
(私は、このショッピングセンターを所有する会社に勤務しているんです)
「(こんな答え方でいいのかな?)」
"What is the address of it?"(その住所は?)
"Well,....ahaaa.?(マズイ!住所が思い出せない!)"
瞬時にして体のあちこちから汗が吹き出るのが分かりました。
「(どうしよう!? 自分がこのショッピングセンターについて詳しいということを証明しなければ!」
"Sorry,I can't remember the address. But I can tell you the name of the tenants."(すみません、住所が思い出せません。でも、ここの店の名前は言えますよ)
ちいさなショッピングセンターでしたが、10以上の店舗が入っていました。
これらの名前をすべて言えるのは、この中で働くか関係者くらいなものです。
"Ok,tell me."(いいよ、言ってごらん)
と警察官。
私はゆっくりと、ひとつひとつのテナント名を思い出しながら言い始めました。
7,8つ言う頃に警察官が
"Good,that's find.You can put your hands down"(いいでしょう。手をおろしていいよ)
と言って、途中で止めてくれたのです。
やっと信用してもらえたようです。
何か事件でもあったのかと聞いてみたところ、数ブロックで最近空き巣が多発していたようなことを言っていたように思います。
警察官は、あぶないから気をつけるようにと私に注意を促してくれ立ち去ってゆきました。
たしかに、車の窓を開けたままで昼寝するのは日本人的感覚で、決してアメリカの裏路地でするようなことではありません。
アメリカ生活に慣れ始めてきた私の油断から出た行為でした。
今思えば、外にいたのが警察官だったのは幸いでした。
ただ、私がその警察官に、というより自分の動きに非常に神経質になっていたのは
それ以前こんな話を聞いていたからです。
ある日、不審に思われパトカーに止められた運転手が、警察官に指示もされていないのに上着の内ポケットから免許証を出そうとしたところを警察官に撃たれて死亡したというのです。
その警察官は運転手が拳銃を取り出そうと瞬間的に判断し、自己防衛を図ったのです。
実は、その事件以前には警察官が職務質問をしようとした人物に銃で撃たれて死亡したという事件があったらしいのです。
ですから、私は「(もし自分が不審な動きをしたら撃たれるかもしれない)」と思っていたので、自分の動きに繊細な注意を払っていたのです。
日本でも大きく報道された事件で、日本人留学生が他人の敷地に入ったところ
家主に
"Freeze!"(動くな!)
と言われたのに、その意味が分からず家主の方へ歩み寄ったところを、その家主に猟銃で撃たれ死亡したという事件がありました。
この事件がきっかけで多くの日本人は"Freeze"の意味を理解するようになったと思います。
将来アメリカで生活したい、または旅行に行きたいと思っている方々のために、少しでも多く私の体験談を伝え役立てていただければ幸いです。