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英語長文は直訳直解でスキルアップ
意訳は自然な日本語に訳することであるのに対し、直訳は英語の語順で日本語へ訳するため多少不自然な読みにくい文になります。
しかし、英語を直訳し、その直訳したものを英訳する学習を繰り返すことで、英語のリーディング、リスニング、そしてスピーキング、ライティング力までもが上達します。
ここではその理由と、具体的にどのような学習方法で取り組めばよいかをお伝えします。
学校の試験では[この英文を日本語に訳せ]といった出題されることがあるため、普段の授業でも意訳する習慣が身についてしまいます。しかし、この習慣が英語を読むスピードが遅くなるばかりでなく、英語を聞く際に足かせになってしまうのです。
下記の文章は英検文単2級[旺文社]からの抜粋です。 意訳文と英文を比較してください。
The top layer is nothing but high-quality glass that can actually take the weight and impact of a large volume of vehicles driving over it.
(意訳)
上層はただの高品質ガラスで、多数の乗り物がその上を走ってもその重量と衝撃に実際に耐えることができる。
[上層はただの高品質ガラスで]の文は英文とさほど語順に違いはありませんが、that以降は英語と日本語の語順がかなり入れ替わっているため、この二つの文を突き合わせながら意味を理解する場合には、目が1から5に飛び、その後4,3,2と戻ってくるようにとても苦労するわけです。
リーディングの場合はゆっくり時間をかけて訳すことができますが、リスニングの場合はそうはいきません。文の最後の単語を聞いた時点で、文全体の意味を理解する必要があります。最後の単語を聞いてから全体の意味をまとめようとしていたのでは実際の会話では通用しません。
では、次に直訳文を見てみましょう。
(直訳)
The top layer is nothing 最上部は何でもない
but high-quality glass 高品質ガラス以外の(but~=~以外)
that can actually take (thatそれは)実際受けることができる
the weight and impact 重さと衝撃を
of a large volume 多数の
of vehicles 乗り物の
driving over it. その上を走っている
いかがでしょうか。この読み方だと英文の最後の単語を読み終わった時点で後戻りしなくても内容が理解できます。
最上部は何でもない/高品質ガラス以外の/(thatそれは)実際受けることができる/重さと衝撃を/of多数の乗り物の/走っている/その上を
このような直訳の日本語に慣れないうちは、自然な日本語に直して再度読み返したくなりますが、それを行ってはいけません。この気持ちの悪い日本語に慣れることが英語を英語の語順で理解できるようになるための第一歩です。
ではどうやったら慣れるのか。不自然に感じる文を、違和感がなくなるまで何度も繰り返し読むことです。 慣れてくると、読み直ししなくても文の最後の単語を読んだ時点で文全体の意味が理解できるようになります。ある程度慣れてきたところで、今度は日本語に訳さなくても意味が理解できるようになるまで英語を繰り返し読みます。
リンゴという単語appleを覚える際は、実際のリンゴを見る→リンゴ→appleの順で覚えますが、慣れるに従い実際のリンゴを見た後、日本語を介さずにappleと言えるようになります。
長文の学習も同じ方法です。 はじめのうちは英文→日本語訳で理解し、何度も学習を繰り返した後、英文を英語の語順で英語のまま理解することが可能になります。大切なのは、そうなるまで繰り返し学習することです。
始めにこの文を読むときは、一単語ずつ丁寧に読みますが、慣れてきたらある程度、意味のかたまりごとに複数の単語を読む練習をします。スラッシュのところまでの複数の単語をまとめて目でつかむイメージで読んでみましょう。
The top layer is nothing but high-quality glass /
that can actually take the weight and impact /
of a large volume of vehicles driving over it.
いかがでしょうか。だいぶ読むのが楽になってきていませんか。
「ええ?こんな調子で全部読んでいったらすごい時間がかかってしまう」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。この読むコツが身につくことで英語を正確に理解できるようになり、むしろ英語を読むスピードがあがります。
この学習で大切なことは、英文の意味が理解出来たらそれで終わるのでなく、翌日も再度読み直してみることです。そうすることで、同じ構文の英文をでてきたときに理解しやすくなります。