生徒さんが楽しめる英会話レッスン

生徒さんが楽しめる英会話レッスンを目指して

英会話のレッスンを楽しめるとはどういうレッスンのことを言うのでしょうか? それは、生徒さんが英語の上達を実感できるレッスンであるというのが私の考えです。

上達を実感できるレッスンとはどういうレッスンかというと、単に新しい単語や表現を学ぶだけでなく、英会話を身につけるために必要なテクニックや考え方を知り、身につけることだと思います。

私が行っているレッスンの中で生徒さんが「そういうことか!」「なるほど!」といった驚きの反応が見られることがあります。 それはまるで、数学の問題を解くための方法を発見した時に見られるような反応です。

先日のレッスンでのことです。仕事で海外からの電話を受けることのある生徒さんに、電話での会話に必要な会話のレッスンを行っていた時のことです。

私が外国人という設定で電話をしたことにして
May I speak to Mr.Sato, please?
と言うと、その生徒さんは、彼は今席を外しています、と言うべきところを何と言ってよいか分からず、考え込んでしまいました。 彼の口から聞こえる言葉は
「席を外す、席を外す、う〜んん….」と、「席を外す」という日本語を英語で何と言えばよいかを悩んでいます。

そこで私は次のようにアドバイスしました。 「日本語にとらわれてはだめですよ。その状況が伝わるのであれば、使う表現は何でもいいのだから」と。
その瞬間、彼は「席を外す」という言葉から解き放たれたかのように、違う角度から考え始めました。

「席を外す、つまり今ここにはいないのだから…He is not here,now」
そして私は
When will he be back?(いつ戻りますか?)
と会話が続きました。
この生徒さんにとって、このことは発見でした。

日本語にとらわれてしまうことで、とんでもない英語になってしまうことがあります。 英語初級レベルの人はよく和英辞書を使います。

この「席を外す」ということばをそのまま英語にするとどうなるか。 外すという言葉を和英辞書で引くとtake offという単語が出てきます。 そして席はseatです。 もし、He is taking off the seat.と言うと「彼はいま席を取り除いている」または「彼はまさに席から出発しているところ」という光景が目に浮かびます。

Take off(離陸する)といえば、例えば宇宙衛星などが帰還する場合の「帰還」ということばは英語でreturnがありますが、もしreturnという単語が分からない場合どうなるでしょうか。 もし、「帰還」という言葉にとらわれてしまうと、例のごとく「う〜ん…」と頭を抱えることになります。

でも、もし言葉にとらわれることなく、もっと自由な発想で考えることができるとしたらどうでしょうか?「帰還」→「返ってくる」→come backという初心者レベルの人でも使える単語が見つかるわけです。

こういうことが分かってくると、レッスンが楽しいものになってきます。 また、このような発想が身に着くことで、それまで以上に英会話がスムーズにできるようになります。

単に英単語や英語表現を覚えるだけであれば教科書だけで十分だと思います。 しかし、英会話を身につけるにはそれだけでは不十分で、実践に即した訓練が必要なのです。

「この生徒さんが次のレベルにステップアップするには、今何が必要だろうか?」と私も日々考えながら接するようにしています。 そして、生徒さん自身がステップアップしていると実感できたとき、その生徒さんは英会話レッスンが楽しいと感じてもらえると考えています。