ボランティア活動で石巻へ

ボランティア活動で石巻へ

写真 4月16日現在、県内、もしくは現地在住の人だけのボランティアのみ募集している地域が増えている中、石巻はまだまだ人手が足りていません。
大人の男性1人で持てる畳1枚も、水分を含み両面に泥を塗ったような状態では、男4人でやっと家から運び出せる重さです。この日はその畳10枚以上を搬出。 最後の方は、握力がなくなり手に力が入らなくなる人もいました。
畳の下の板にも、べっとりとついたヘドロに近い泥。それをスコップですくい土のう袋に入れ、合計20袋近くを数十メートル離れたごみ収集所へ搬送。。
水分を含んだ衣装棚や家具は、引き出しを引いても開かず、スコップの角を引き出しのわずかな隙間に食い込ませ、力でこじ開けると悪臭のする海水に浸された衣装がケースの中にどっぷりとつかっていました。。
それらの衣装を泥や他の瓦礫と同じようにゴミ袋に入れごみ収集所へ。 捨てるのはゴミだけではなく、そこに住む家族の愛着のある品々まで。

それらを捨てる時、他人の私がつらいと感じるのだから、そこに住む家族にとってはどんなにつらいことかと考えると、ゴミ袋に入れる際にも無造作に放り込むことができませんでした。。
午前10時から午後4時まで何度かの休憩を入れながら、大人の男性5人で依頼された2部屋の片づけを何とか終わらせることができました。

ボランティア活動の内容も様々ですが、4月17日現在、石巻市で必要とされている主な作業は屋内の泥と畳を含む家財道具出しという力仕事。 さぞ大変な作業なのだろうな、と思う人も多いことでしょう。 正直、とっても大変な作業です。

でも、もしボランティアがいなければ、我々が行った作業を家の住民の方たちが、自ら行わなくてはなりません。 この家のご主人の話では、我々が訪問する以前に、ご家族の方たちはすでに家の前に山積みになった瓦礫を自分たちで数日かかって撤去していたそうです。

しかも、それらの撤去作業にとりかかる前に行わなければならなかったのが、瓦礫にまじって玄関先まで流されてきたご近所のおばあちゃんのご遺体の移送依頼だったといいます。 この日の作業が終わり、我々に別れ際感謝の言葉をかけてくれたご家族の方々に、私は思わず「頑張ってくださいね」と言っていました。

何も考えず反射的に出てきた言葉でした。 しかし、日々心身ともに限界状態で頑張っているこの家族に、これ以上どうやって頑張ればよいというのか。この家族にとって必要なのは、頑張ることではなく、わずかな間でも心と身体を休めることができるよう、手助けしてくれる存在ではないか、と帰りの車中で考えていました。

「でぎだら(できることなら)、このあど(後)ボランティアの皆さんにお食事でもごつそうでぎればいいんだげどな(ごちそう出来ればいいのだけどな)」 というご主人。 「気持ちだけで十分ですから」と返す私に 「んで(では)、日常の生活が取り戻せるようになったら、おらだちの元気な写真でもおぐって(送って)、知らせでやりでな」 というご主人の言葉に、私は自分たちがこの日に果たした役割の重大さに気がつきました。

このご家族が、非日常的な生活から抜け出し、日常的な生活を取り戻すために、わずかながらでも手助けができたこと。

被災者の方々が必要としているのは何か? その場に居合わせた人にしか頼めないことがたくさんあるかもしれません。 だからこそ、現場に足を踏み入れてくれる一人でも多くのボランティアの訪問が待たれているのです。

4月17日現在、石巻ではまだまだボランティアの数が足りていません。 働いても働いてもはかどらない、先の見えない気の遠くなるような作業をしながら、手助けしてくれるボランティアの人たちが来るのを順番待ちしている方々がたくさんいます。 一人でも多くのボランティアの方が被災地に来てくれることを祈って、この記事を掲載することにしました。